Update:2015.07.22[Wed]Category : SURF

日本初のサーフボードもある国指定有形文化財「茅ヶ崎館」

国指定 有形文化財「茅ヶ崎館」は、湘南茅ヶ崎のサザンビーチからR134を渡り、ひっそりと住宅地の中に存在している。

宿泊はもちろん、予約制で食事のみの利用も可能。あるいは大広間や客室を人数に合わせて使用することができる。

この日、最初に登場したのは、新玉ねぎのすり流し。新玉ねぎの甘さと爽やかさが、蒸し蒸しとした季節のなかで、冷たく喉を流れていった。

五代目館主が自ら腕をふるう料理は、見た目にも美しく整っている。手前の塩焼きは、地上がりのさより。その日に上がった魚や、湘南野菜にもこだわっている。

「ゆったりと楽しんでいただきたい」とのコンセプトから、テーブルは大きめのものを使用して、椅子もひじ掛けのあるタイプのものが用意されている。

なすと桜海老の煮物もあっさりとしていながらも、出汁の旨みがしっかり伝わる。手を抜くことのない和食の一品だった。

純和風旅館で、往時の面影を残す茅ヶ崎館。浴室も有形文化財に選ばれた所以だそうだ。

海外からのビジネス客に「おもてなし」を味わってもらおうと紹介したところ、とても気に入って、その後は、ご本人指定の定宿となったという話も聞く。

明治時代には、日本に近代演劇を持ち込んだ川上音二郎、貞奴が、日本初のシェイクスピア劇「正劇オセロ」の稽古に使用した。また、昭和に入ってからは、小津安二郎監督が定宿として、映画作品台本の執筆を行っていたことが有名で、世界中から小津監督が利用していた部屋を訪ねる客がある。

大広間では、お琴の演奏会やライブなどが開催されたり、宿泊と組み合わせたマリンスポーツプランでは、サーフィン、スキムボード、シーカヤックなどを楽しむこともできる。

海岸が近く、波音に耳をすまし、浜風を感じながら過ごす、ゆったりとした時間は、湘南の別荘文化のなごりを伝えている。

5代目館主の森氏は、地元茅ヶ崎での映画祭などにも参加して、上映会を行うなど、新たな展開にも挑戦している。
後方のサーフボードは、日本初のものとも言われているかなり貴重なもので、なんと日本に現存する最古のサーフボードは老舗旅館「茅ヶ崎館」に保存されている。

太平洋戦争後の1945年頃に米兵が日本でサーフィンしたと言われているサーフィン。つまり、その頃にはじめて日本の海岸に「サーフボード」と言えるものが持ち込まれたとされてきたが、1920年代後半に、茅ヶ崎館の一代目森信次郎氏が当時、ホノルルで人気だったモデルを持ち込んだようだ。

茅ヶ崎は日本におけるサーフィン発祥の地の1つとも言われ、ホノルル市郡と姉妹都市となり、サーフィン連盟の支部も友好を結んでいる海岸。

湘南海岸でマリンスポーツを楽しんだあとは、ぜひ日の入り時間をチェックしてほしい。
富士山の優雅な影と夕陽、刻々と変わる空と海を感じながらクールダウンして、茅ヶ崎館へ向かえば、大満足できるにちがいない。

茅ヶ崎館
〒253-0055
茅ヶ崎市中海岸3-8-5
TEL 0467-82-2003FAX 0467-82-3133
http://www.chigasakikan.co.jp/index.htm

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