Photos by "moo" kitamura&Local Surfers,Many supporters.
Text by Yoshishiro "moo" kitamura×BLUER


第3章
ー MIYAZAKI & OITA ー
宮崎パラダイス、そしてゴーストタウンへ

LANI&MOO
車泊の旅スペシャル・エディション。
『九州を最終目的地にすること』だけを決めて
どこを通るかも、いつ着くかもわからない。
一行は大阪から鹿児島に入りいよいよ宮崎へ。


ウネリが届かなかった鹿児島をあとにし、早々と決断し一路、宮崎へと向かうこととなった。

宮崎へと向かう道中は、あえて遠回りで海岸線を通るルートを選んだ。ロケーションも一面南国。宮崎市内は空港からもビーチにも近くとても栄えた都市だ。
市内から車で30分も走れば南国ムードが漂い、街並みもゆったりしたたたずまい。時間もゆったり進んでいる。

日南方面の海は混んでいるイメージがあったが、人はまばらで、みんな陽気で優しい人ばかり。海のコンディションもよく、初日から最高のブレイクをプレゼントしてくれた。一日中、コンディションは落ちることなく、久しぶりに無我夢中で海三昧を楽しんだ。

しかし、そんな最高の舞台も夕方になるに従って周辺の様子は薄気味悪さに変わる。

海で寝るのは怖いのだ。波の音を聞きながら満点の星空を見ながら…、なんてロマンチックなものとは違って、なにかがいるようで気味が悪い。
ある程度、小綺麗になっている駐車場ならば車泊も可能だが、神経質な自分とラニさんにとっては物音一つない方が安眠できるのだが、どうやらこの地の車泊は、海岸ではない直感。

現地で安眠の地を探すのも慣れたもの。寝場所を探すのも面白い時間だ。
少し離れた場所に道の駅を見つけ、移動途中にコンビニで夕飯を買う。夕飯は車内で手際よく終わらせて、ラニさんは隣で眺めて自分の番を待っているのがいつもの光景。
到着した道の駅は少し小さいが、海の高台にある場所のようだ。


2匹の就寝は早い。21時には寝床の準備は完了!と言っても後ろの床板を下ろして枕を置くだけなんだけどね。

しかし夜中に何度も目がさめる。

寝てる間に水でもかけられたのではないか?というぐらいビッショリ汗をかく。途中、何度も目を覚ますがが、暑さで呼吸困難になり起きるのだ。宮崎のこの時の気温は日中35℃を楽に超えていて風もない。当然夜もケタ外れの暑さだ。

通常なら後部とサイドドアを開けメッシュスクリーンで寝ることができるが、風がないため、うだる暑さ。車内は更に暑い。

タイマーでエンジンをかけクーラーをガンガンに効かせ30分。タイマーが自動的に切れるのだが2時間もしないうちに車内はサウナに変わる。そんな事を毎晩繰り返している為、朝の目覚めから猛烈に疲れてしまう。 しかも早朝6時前にはラニさんもハーハーと言い、早く車から出してくれ! と限界アピール全開だ。

真夏の車泊は、装備が万端なBLUER号でさえ過酷となるから、経験のない人や装備のない人は真夏を避けた車泊をする必要がある。


朝。目の前に広がったのは、最高のロケーションだった!

海から朝日が顔を出し名所でもある洗濯岩がオレンジの朝日に照らされ反射している。
夜は真っ暗でわからなかったが、この光景を見た瞬間に、この場所をとても気に入ってしまった。

海岸に下りる階段も早朝に歩くのはしんどいが、南国ムードがあふれ楽しい雰囲気にさせてくれる。また今夜も泊まるなら、きっとこの場所だと思った。
結局、3日間を通してこの場所を往復しては寝床ベースとしていた。海も毎日空いていて、コンディションも最高だった。

さあ。いよいよ鬼の洗濯板をあとにし、さらに県内を北上することにした。そこには、多くの仲間と兄や妹のようでもある相棒が待っていてくれるからだ。


そして、いよいよ北へ向けて移動。途中、好きなポイントをチェックしながらBLUER号を走らせながら、以前より仲良くしてもらっている友人夫婦との宮崎で再会する期待に胸が高鳴る。
その友人夫婦とは、いまなお現役プロ選手としてJPSAサーキットでも常勝しているプロロングボーダー藤井プロのご夫妻だ。

ふたりは今年、見晴らしの良い高台に新居を構えたという。奥様のカズミさんは湘南サーファーだったが、仕事も生活拠点もここへ移して新しい生活をスタートさせていた。そんなふたりに会うことが、この旅の楽しみでもあった。

新居に到着してひさしぶりの再会に挨拶をすませると、さっそく夕飯のお誘いがあり、奥様の美味しいご飯をご馳走になった。
いつもコンビニばかりの食事に嫌気がさしていたところに、久しぶりの手作り料理に感動してしまう。宮崎といえば地鶏。真っ黒に焼いた香ばしい鳥料理に食がすすむ。

この旅がはじまってからというもの、暑さで食欲がなく、あっさりとしたもので簡単にすませていたが、この日ばかりは我が家にいるかのようにたくさん頂いてしまった。こんなに美味しい食事を毎日楽しむ藤井プロに心から嫉妬(笑)  そして遠くから押し掛けてしまったのに、たくさんのもてなしをしてくれたご夫妻に心から感謝。

おもてなしはそれだけではなかった。ラニさんと布団で泊めさせて頂くこととなったのだ。
いつもお誘いいただくことが多く、しかし自分のスタイルはあくまでも旅は車泊。しかし美味しい食事と、心許せる藤井ご夫妻との楽しい時間ということもあって、この日ばかりはお言葉に甘えて家泊!!

車泊グッズのシーツやタオルケットを家に移動させ、粗相のないよう注意を払って、涼しい個室で就寝させていただいた。
車泊は限られたプライベート空間に心地よさを感じるが、家の心地よさは格別だった。おそらく藤井夫妻のあたたかいおもてなしゆえの心地よさなのだろうと感じた。


朝になるとさっそく日向から仲の良い仲間も合流し、藤井プロとともに一緒にセッション!

さすがに宮崎のサーファーはみんなハイレベルだと感じる。波に恵まれ、ストレスのない空いている海で練習できてこそ上達することもあるのだろう。やはりこの地はすべて刺激があり住んでみたい好きな土地である。

そして宮崎市から日向市を目指す。ここを拠点とするサーファーも多い。人柄も温かい。見ず知らずのよそ者にどこからでも優しく声をかけてくれる。関東ならそんな事はない。みんな黙々としているのが当たり前だけれど、このような海でのコミュニケーションは大切だと感じている。

メインステージではショートボードのレベルもハイレベルでローカルはみんなうまい。しかもガツガツしないでモラルを持ってサーフィンに取り組んでいる。

いつもここへ来ると見習うべき事がたくさんある。


宮崎の波もまだまだ堪能したかったが、宮崎と大分にロングステイして、波のコンディションによって行ったり来たりしている。

いよいよ大好きな隣県である大分へと車を走らせる。ゴーストタウンと呼んでいる地だ。この地に、自分でも不思議なほど魅了されてしまった。

まだまだ秘境の雰囲気漂うこの地には思い入れが強い。大自然が残っていて、人間の手が入っていない海や山が数多く残されている場所。そして何よりも田舎すぎるロケーションのせいか、雰囲気がのんびりしていて、時間が過ぎるのが、とても遅く感じる場所でもある。


この地を深く知ることになったのは、ここを古くから知る地元の友人Kuri氏(写真左)。

Kuri氏は、この地を熟知していて、遠方からくる私にたくさんの場所や知識、友人を紹介しれた人物であり感謝が絶えない。
そのKuri氏との再会もあって足を伸ばす事になり、いつもの歓迎バーベキュー(通称 Kuri's キッチン)を開いてくれることになった。

毎回、彼率いる友人達との食事は舌をうならす程の品数豊富な新鮮な魚介や肉料理。料理もサーフィンも上手。朝、昼、夜と美味しい食材と楽しい会話で1日は過ぎていく。

出発から2週間が過ぎて、ちょうど身体も疲労感を感じていた。そんなときにこの地を訪れれば、身体も精神もリフレッシュできるのである。

楽しいひと時の後は、夜という闇がやってくる…。

この街がゴーストタウンである理由は夜にある。灯りは「道の駅かまえ」のわずかな光だけ。ラニの散歩は欠かさぬ日課なので近隣を探検するのだが、暗闇しかない。ラニと足元を照らす懐中電灯は必須だが、この旅をサポートしてくれた”ドッペルギャンガーアウトドア”の「ほたるライト」をラニの首に付けるととても便利だった。

夜、睡眠時は特に闇が怖い。ラニも自分も静かなところで睡眠したいのだが、ここは無音すぎる。

以前、ラニが何かの存在に気づき、普段はおとなしいラニがかなり大きな声を上げて吠えたことがある。
何事かと思い、車外を見渡したのだが、きっと山奥に住む未確認生物だったに違いない。

それほどまでに、この地は、手つかずの自然が溢れる「貴重な場所」なのだ。


海と山、大自然が生きているこの壮大なロケーションの中 、何もする必要がない。

ただボンヤリしている時間がすべてを忘れさせ、無心にかえるのである。日中も木陰なら涼しく木々が微かになびく音が気持ちよく昼寝に導く。

最高のひとときに、かたわらではラニが首を傾げている。

ラニも疲れがきてるのがわかる。「早く帰ろう!」の顔は日々強くなってきているから…。

でもこの地はすべて絵になる。空の色や海の色。考えられない程、澄み切っている。その中で趣味のサーフィンできるのは、この上ない幸せだと思う。正直この地から帰ろうとは考えられない自分がいた。

さて次回はいよいよ最終章!
九州のメッカ・宮崎を出発し
Lani & Moo は鳥取エリアへ。
東京を出発してから2000キロ超、20日間を超え
いよいよ東京へ帰還!と思いきや
九州は折り返し地点にすぎない!?
どんな未知の出逢いが待ち受けているのか…



(c)車泊プロジェクト|#shahaku Project Team & Special Supporters|CARVIN -カーヴィン | BLOOM -ブルームコーポレーション|DOPPELGANGER OUTDOOR-ドッペルギャンガーアウトドア|BIBI LAB-ビビラボ|DUB STACK-ダブスタック|真田の台所-サナダのダイドコロ|CLIFF BAR-クリフバー

※このプロジェクトに賛同・協力くださっているメーカー・企業の皆様、旅の撮影にご協力いただいているLani&Mooサポーター、各地域の皆様に心から感謝申しあげます。
※撮影には多くのローカルの方やサポーターの方の協力により写真や動画を撮影しております。皆様により臨場感を感じて頂くため、要所で同乗による風景撮影をしております。今後も安全第一で撮影してまいります。

北村 吉代/ Team BLUER

北村 吉代/ Team BLUER

●きたむらよししろ。Team BLUER & Producer. JPSA公認プロロングボーダー。旅人。「車泊の旅」主宰。24h常に一緒に生活し柴犬ラニを溺愛。●柴犬Lani (ラニ)Birth 2007.11.14 メス。性格はやさしくて思いやりがある。自分を人間と思っている。日本で一番旅行している柴犬