Zippo.
愛すべきオイルライター。
煙草とバイクが好きな男の象徴のようなこのライターも、あまり見なくなった。
スモーカーが減ったこともあるだろうし、販売元の統計でも以前よりは生産量が随分減っているという。
着火にこだわりのない人なら100円ライターで十分なのだけれど、このZippoはオイルと火打石のフリントを交換しさえすれば永久に火がつく。
そんな交換も実に面倒臭いと思うのだが、このオイルライターは、火を灯した時のオイルの香りと、リッドと呼ばれるフタを開けたときの響き、Zi—-ppo!! という火がつく瞬間の響きがファンを魅了してやまない。
どんどん日常が便利になり効率的、画一的になっていくが、あえて使い捨てではなく、面倒なこだわりのアイテムをもって、ゆるりと過ごしてみるスタイルはどうだろう。
煙草をすわなくても、さりげなく星空のもとで火を灯すときに、こんなオイルライターで着火する男は、実にかっこいいと思う。
Photo by Moo Kitamura
Words by Naoko Tanaka
※ジッポー(Zippo)は、アメリカ合衆国のジッポー社の登録商標です。