Update:2017.04.05[Wed]Category : GOOUT

「アップルウォッチ」と「アウトドア」

Photo by Apple Inc.

Apple watch(アップルウォッチ)はまだ持っている人は少ないと思う。まだ初期仕様のために様子見していたり、なんとなく格好良くない、とか、スマホがあるから必要ない…などの理由だろうか。

昨年9月にはSERIES2(シリーズ2)が出て購入者が増加中という。

1、防水機能 2、GPS内蔵 3、SUICAに対応 が主なる仕様追加で、この時計をかざせば改札でピッと抜けられるのために、カバンから「ヨイショ!」と引っ張り出さなくてよいSUICA機能の搭載が人気を押し上げている模様だ。

ちなみに防水については、お風呂やプール、海も50mまではOKとされているが、お風呂での石鹸の泡などがウォッチのスピーカーホールに入ったりすると良くないと言われている。時計をしたままプールや海はありそうだが、お風呂で時計をしながらシャンプーする人はあまり居ないのではないか。

ちなみに、アウトドア系のウェアラブルで言えば、リップカールのSEARCH GPS WATCHは、サーフィン界としては、鳴り物入りのプレスリリースだったと記憶している。

そのあとも時計メーカーであるNIXONや、SHARKも追随したが、今にして思えば、衣類スポーツメーカーのリップカールが(NIKEのようにもっと早く開拓した会社はあったけれど)ウェアラブルデバイスとして時計自体を真剣に開発し、アウトドアとしての必要性や楽しみを連携させたのは、もの凄い開拓であり投資だったと思う。

がしかし、APPLE,GOOGLEのような会社には、なかなか叶わないのが事実だった、というところかもれない。

リップカール社のチャレンジ精神は素晴らしかったが、やはりリップカールが作ったのは、あくまで時計+αだった。

なぜApple watchがすごいか。それは、Apple watchと時計を名乗ってはいるが、時計ではないからだ。

Apple Watchは、結局、何をするものなのか?

Apple Watchをはじめとするウェアラブル、Android WearやTizenなど「常時、ウェアラブルなデバイスを装着する」のに便利なのは「腕」が手っ取り早い。 しかし、腕はすでに「時計」が占領しているため、時計の体(てい)をなして、時刻を表示させる。時計ではあるが、実態は「スマホの小さいようなモノ」だ。

よくApple Watchを「スマートフォンのミニチュア版」と誤解している人がいるが、まったく違う。

あの小さい画面でアプリゲームをやらせるでもなく、細かい文字情報をたくさん見せるでもない。電話こそできるが、電話も現実的にはしない。実態は、本体の「スマートフォン」が主たるパソコンであるとすれば、watchはリモコン。したがって、電話もパルス機能(ビビット振動で着信を知らせるなど)完全に連動している。

むしろ、脈拍や健康状態(いずれ脳が考えていることも言語化して)「意思を探知」して、それに対応した行動へと誘ってくれるのが大きな特徴。

加速度センサー、ジャイロセンサー、心拍センサー、GPSセンサーと、あらゆる探知機能を積んで、勝手に意思を汲み取り発信してくれる。

よって現在は、ランニングして消費カロリーを出したり、ルートを記録したり、何キロ走ったかを記録する。

しかし、アウトドアに親和性があると感じている筆者の私は、波に乗ったり、歩いたり走ったりのログ機能なのではなく、その先の「健康に生きる」連携が重要であり、アウトドアにつきまとう「危険」をいかに回避するかが、この時計の重要なキーワードだと考えている。

独身で一人暮らしをする心友が、つい先日、病に倒れ、部屋の中で連絡手段である「スマートフォン」にすらたどり付けない痛みにおそわれ、2日間も悶えた挙句に、ようやく3日目にして病院に担ぎ込まれたという話を聞いた。

同じく一人暮らしである自分もしかり、遠隔に住む単身の父親も、またはこの超高齢化時代の独居老人も、苦しんで悶えて一歩も動けない状況があるとしたら…とApple Watchの重要性を感じた。

急速なる進化のために家電でのIotやウェアラブルも、「個人情報」の扱いも含めた取り扱いが、まだ未整備といった別次元の問題も存在する。

しかし、ウェアラブルウォッチが今後、さらに進化を遂げ、腕にある都合上、時計という「お面」を被りながらも、実態は「自分自身をデータ化させるもの」であることを、もっと有益に、アウトドアシーンにおいても応用されれば、もしや先般の山岳事故も少し良い方向へと行っていたのかもしれない。

日常生活はもちろんだが、アウトドアとの連携が進化すれば素晴らしいとも思うし、客観的に評論していないで、IT専門家というなら、そろそろ自分でそういうアプリケーションを開発しようとも思う。

words by Naoko Tanaka (BLUER/田中菜穂子)


photo by BLUER

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