Update:2017.06.19[Mon]Category : SURF

今年こそサーフィンしてみようと思う人へ

サーフィンは、世にふたつと同じ状況とならない現象で楽しむ遊び。

自分にとって最高の「波」と出逢い、「波」に乗り、結果的に二度と同じ条件とはならない奇跡的な「瞬間」を得る行動。

その「波」は、風や地形や潮回りによって創り出され、絶対に同じ形状をなさない。

01.「風」

サーフィンは、はるか沖で風が吹いた時に、「うねり」(swell)が起こり、その「うねり」が次第に海岸までやってきて、波打ち際で行き場がなくなり、波となってブレイクするもの。そのブレイクする波に乗るのがサーフィン。

サーファーがいつも見ているものは「天気図」。天気図からわかること、それは、どこで風が吹いているか、という点。

「波」を創り出す最大要素が「風」 であるために、それが何処で吹いているか。はるか日本から遠く、沖で吹きつける風が強く長い距離ならば、「うねり」が増幅し「大きな波」になる。

いわゆる「台風」に着目するのは、その要素をたぶんに含んでいるから。また、その「うねり」がどの向きからやってくるのかも重要となる。

自分のホームポイントにそのジャストな「波」がやってくるのか、ときには最高の「波」がブレイクする場所を目指して旅に出る。

02.「潮」≠「月」

海には潮の満ち引きがあり、毎日違う時間に違う潮位を記録する。当然、その満ち引きの要因となるのは「月」の引力である。

1日で起こる変化は、潮が満ちて潮位が高くなる満潮、潮が引いて潮位が低くなる干潮であり、通常は1日に2回ずつ満潮と干潮が繰返し起こっている。

月単位で見れば、いわゆる月齢は約29.5日を輪廻として新月、上弦、満月、下弦を繰り返す。

潮汐は太陽と月と地球が一直線上に並んだ時が最大となり、この時期を大潮と呼び月に2回、満月と新月の時に起こる。

一方、太陽と月が90度に直交する位置にあると互いの潮汐力が相殺され干満の差が小さい小潮になる。その小潮も月に2回、上弦と下弦の半月の時に起こる。

つまり大潮と小潮も約15日ごとに繰り返し訪れ、大潮は潮位の干満差が最も大きな日であるためにポイントによって差はあるが干満差により波のサイズが変化しやすい。このように月と日単位で、その日のコンディションを左右する「潮」「月」が「波」を作る。

03.「海の底」

それはよく「地形」や「ボトム」と呼ばれる。

サーフィンにとって「海の底」がどのような状況か、によって波のブレイクが変わる。

たとえば、潮汐により変化はあるものの、リーフ(珊瑚)や岩は海底が固定されているためにうねりがあれば規則正しく一定に波がブレイクすると言われる。一方、日本の海水浴場などによくある砂の海底であれば、砂は移動しやすいためコンディションが変わりやすく、ブレイクポイントが不安定となり変化をもたらす。

04.「サーフボード」

サーフボードはサーファーが波に乗るための道具。究極的には自分にフィットしたサーフボードに乗るのがベスト。なぜなら、その人のスタイル、体重や技量、波のサイズなどによって適するボードが変わるため。そのボードをシェイプする職人が「シェイパー」および「クラフトマン」。サーフボードは1mmによって動きが変わる窮極のギアでもある。ボードの厚み、横幅、ロッカーと呼ばれるソリ、コンケーブ、素材、長さ、重さなど。

また「フィン(FIN)」はサーフボードの推進力を高めたり、方向や回転性を決めるためにサーフボードの本体後方に取り付けられるもの。1つのシングルフィンから複数枚のものまで多様で、フィンのR部分の角度によって回転性が増したりと、サーフボードの動きを決める重要なファクターとなる。

05.「サーファー」

はじめはスタイルから入る人が多い。カッコいい、自分もやってみたい。しかし、はじめて海に入ったときにほとんどの人はまったくボードに立てない。それ以前に、沖に出ることすらが至難の業となる。よって多くの人は最初の体験で挫折する。

しかし、どうにかうまく乗りたいと思う人だけがサーファーの仲間入りとなる。

おそらく、これほどまでにうまくできない遊び、スポーツは他にない。なぜなら、上記のような理由により、同じコンディションが存在しないために安定した状況で練習できるわけもなく成長が遅い。

しかし、その地道な体験を繰り返すうちに、うまく乗れるようになった喜びは計り知れず、その成功体験から人々はサーフィンにはまっていく。

はまってしまう要因の2つ目は、海は素晴しくもあるが自然の恐ろしさをも併せ持つ場所だということだ。波のパワー、朝日、夕日、風、太陽の日射し、潮風のにおい。開放感。癒し。しかしその究極さは、死とも表裏一体である。なめていると簡単に死ぬ。

そんな表裏一体の世界の中で、サーファーたちは海に感謝しながら真摯に沖へと向かっていく。同じものがない変化の中に身を任せ開放を手に入れる。自由に生き、日射しを浴び浅黒くなり、波にもまれて引き締まった体型にもなっていく。だから自由人に見える。自分がそうでないほど、サーファーが魅力的にみえる。

そう見えたならば、それがサーフィンを始める「とき」である。

今年こそサーフィンしてみようと思う人へ贈る。

執筆・記/田中菜穂子(たなかなおこ)BLUER代表
写真/BLUER CREDIT

※このコラムは2015年6月22日にBLUERから発信され数十万人の多大なる多くの皆様に読了いただいた記事を、若干の2017年に今の気持ちを添えて追記し、再発信いたしました。(記載:2017年6月19日)

田中 菜穂子 / BLUER 代表

田中 菜穂子 / BLUER 代表

BLUER代表。雑誌「サーフィンライフ」編集者を経てITに長年従事。2014年よりITメディアとプロダクトを融合させたアウトドアブランド「BLUER」を創設。

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